自動化レシピ

AIが書く記事に「機械の門番」を付ける方法

AIに記事を量産させるなら、公開前の品質チェックも機械化するのが定石です。当サイトが実際に使う10項目の自動検査と、門番を信用できるものにする作り方を解説します。

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AIに記事を書かせる時代の本当の課題は、「書けるか」ではなく「出していい状態かをどう保証するか」です。人間が毎回全文を読んで確認するなら、自動化した意味が半減します。この記事では、当サイト自身が使っている「機械の門番」——公開前にプログラムが記事を自動検査し、不合格なら公開自体を止める仕組み——の作り方を解説します。

考え方: 公開の前に検問所を置く

仕組みはシンプルです。記事はGitHub(ソース置き場)にファイルとして追加され、公開前にGitHub Actions(自動処理)が検査プログラムを実行します。検査に1項目でも落ちると、そこで処理が止まり、サイトは更新されません。つまり、壊れた記事・規約に反する記事は、人間が見落としても物理的に公開されない構造です。

ポイントは、検査を「AIに確認させる」のではなく「普通のプログラムで書く」ことです。AIの自己チェックは「確認しました」と言いながら見落とすことがあります。機械的に白黒つく検査は、白黒つくコードで書くのが原則です。

当サイトの検査10項目

実際に使っている検査項目です。どれも数十行のプログラムで書ける、地味だが確実な検査です。

  1. 記事の必須情報 — タイトル・日付・カテゴリなど、決めた項目がすべて埋まっているか
  2. タイトルと説明文の文字数 — 検索結果で切れない長さに収まっているか
  3. 本文の最低文字数 — 記事の種類ごとに決めた下限(例: 解説800字・手順記事2,000字)を満たすか
  4. 誇大表現ゼロ — 利益を断定して約束する言い回しや、危険が無いと言い切る表現など、禁止語リストに載る言葉が1つもないか
  5. 広告記事の確認日 — 広告を含む記事に、情報の確認日と公式サイトへの案内があるか
  6. 必須ページの実在 — 運営者情報・プライバシーポリシー・免責事項に本文があるか
  7. 外部依存ゼロ — 許可していない外部サービスの読み込みが紛れ込んでいないか
  8. 広告の開示文 — 開示の文言が、公開されるHTMLに実際に載っているか
  9. リンク先の実在 — サイト内のリンクや画像が、実際に存在するファイルを指しているか
  10. 空リンクゼロ — 中身のないリンク(href=”#“のまま等)が残っていないか

大事なのは、4や5のような「コンプライアンス系」を検査に含めていることです。景品表示法やステマ規制に関わる部分こそ、人間の記憶に頼らず機械で守るべき場所です。

一番大事なコツ: 門番を「わざと壊して」テストする

門番づくりで最大の落とし穴は、飾りの門番——存在するのに実は何も検査できていないチェック——です。検査プログラムの書き間違いで、全部の記事が無条件に合格してしまうケースは実際に起こります。しかも門番は普段「合格」としか言わないので、壊れていても気づけません。

対策は、否定テストです。「わざと壊した記事(タイトルが長すぎる・禁止語入り・リンク切れ)を検査に通し、ちゃんと不合格になるか」を確かめるテストを、門番1つにつき最低1本書きます。当サイトでは10項目すべてに否定テストを付け、門番自体が壊れたら自動テストで検知される二重構造にしています。

門番を信用できるかは、この一手間で決まります。

導入の手順

  1. 自分のサイトの「公開してはいけない状態」を箇条書きにする(まず5個で十分)
  2. それぞれをプログラムの検査に翻訳する(AIに書かせて構いません。数十行ずつです)
  3. 各検査に否定テストを付ける(わざと壊した入力で落ちることを確認)
  4. GitHub Actionsで「テスト→検査→ビルド→公開」の順に直列につなぐ

これで、「不合格の記事は公開されない」がルールではなく構造になります。

余談: この記事自身が門番に止められた話

実はこの記事の初稿は、公開前の検査で不合格になりました。原因は上の4番です。禁止語の例として具体的な言い回しをそのまま書いたところ、検査プログラムが本文中のその文字列を検知して、公開を止めたのです。

笑い話のようですが、これは門番が正しく働いている証拠でもあります。文脈を読まず、決めた文字列があれば必ず止める——機械の検査の融通の利かなさは、疲れや思い込みで精度が揺れる人間の目には無い長所です。例外を認めたくなったときは、検査を緩めるのではなく、引っかからない書き方に直す。この順序を守ることが、門番を長く信用できるものに保つ秘訣です。

もうひとつ、この体験は否定テストの価値も裏付けています。門番が本当に検知するかどうかは、実際に引っかかる入力が来るまで分かりません。わざと壊した入力でテストしておけば、その「実際に来るまで」を待たずに、門番の健康診断が毎回できるわけです。

まとめ

AI時代の品質管理は、「AIを信じる」でも「全部人間が見る」でもなく、機械的に決まる検査は機械に、判断が要る部分だけ人間(または上位のAI)に、という分担です。門番は一度作れば毎日働き続ける資産で、記事が増えるほど効きます。AIに記事を書かせ始めた人こそ、次の週末に門番を1つ作ることをおすすめします。


本記事は 2026-07-18 時点の当サイトの実運用に基づきます。法令に関わる表記の要件は、消費者庁など公的機関の最新情報をご確認ください。